過去2年間のロックダウンも収束し、オーストラリアは急速にCovid 以前の状況に戻ってきています。
その一つ現象として、家賃上昇が挙げられます。
Covidの間は海外からの入国を禁止していたため、物件の供給が需要を上回っておりましたが、現在はその逆で、人気のエリアでは賃貸物件が不足しております。一つの物件のオープンインスペクションに20組も人が集まる、というような状況も見られました。
そのCovid期間中に賃貸したテナントさんは、現在軒並み、家賃上昇に直面しているのではないでしょうか?
Covid期間中はかなり家賃が下げられ、通常のマーケット家賃よりも20−30%安く借りれましたが、マーケットが回復している現在、オーナーさんはその期間の損失を取り戻そうと家賃値上げを要求しています。
残念ながら家賃の値上げ額には制限が設けられていないのが現状です。
そのエリアの、その時のマーケット状況が考慮されるため、もし家賃の相場が妥当であれば、それに見合う値上げも妥当とみなされるようです。
弊社のお客様でも数百ドルの値上げを言われており困っておられる方がいらっしゃいます。
オーナーさんとしても、ホームローンの金利や、管理組合費等の値上げもあり、また、コロナ期間の過去2年間損失がでているため、交渉に応じないケースも出ています。
ただそれでもやはり交渉をしてみる価値はあります。
その際にはご自分で周辺の家賃状況をリサーチし、それを踏まえた上でカウンターオファーをしてみてはいかがでしょうか? また、自分がどれだけいいテナントであるか(家賃の支払い、物件の使用状況等)をオーナー側に売り込むことも大切です。
オーナー側としても、いいテナントに長く住んでもらいたい、と言う気持ちもあるので、交渉の余地はあるかもしれません。
もしそれでも交渉がうまくいかなかった場合は、残念ですが家賃値上げを受け入れるか、退去するかの選択になります。
家賃の値上げには通常最低60日の通知が必要となります。
そのため契約更新日の最低60日前に遡って通知が無ければ、家賃の値上げは更新日と同時にできません。もし通知が遅れれば、契約更新は始まっても家賃値上げ日がずれることになります。
また、家賃値上げは最初に決めているケースを除き、Fixed term lease では基本的12ヶ月間に一度となっております(サウスオーストラリアは若干違うようです)。
月ごとの契約の場合は(Periodic lease)は、ニューサウスウェールズ州、ヴィクトリア州、サウスオーストラリア州では12ヶ月に1回、クイーンズランド州、ウエスタンオーストラリア州では6ヶ月に1回、値上げすることが可能となっております。
コロナ禍での新築物件の建設の遅れもあり、今後しばらくは賃貸物件の供給が少なくなり、それにより家賃上昇が続くかもしれません。
在宅可能な会社も増えてきましたので、郊外に住む、住むエリアを変える等、今後は工夫が必要になってくるようです。
田中不動産(TANAKA REALTY)
Level 1, 269 Pacific Highway, Artarmon, NSW, 2064
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